2025年10月31日

インバウンド客の地方訪問率が過去最高の68%、訪日リピーターの増加が要因

地方を訪問するインバウンド観光客

日本政府観光局(JNTO)が10月30日に発表した訪日外国人旅行者動向調査によると、2025年1月から9月までの期間に地方を訪問したインバウンド客の割合が68%に達し、過去最高を記録した。これは前年同期の54%から14ポイントの大幅な上昇となる。背景には訪日リピーターの増加があり、今回の調査対象者の72%が2回以上の訪日経験を持つことが判明。リピーターは東京・大阪といったゴールデンルートを離れ、瀬戸内海の島々、北陸の伝統工芸体験、九州の温泉地など、より深い日本文化体験を求める傾向が強い。地方自治体による多言語対応の観光案内サイト整備や、SNSを活用した情報発信が功を奏したとみられる。JNTOは「地方への誘客は持続可能な観光政策の鍵であり、今後も自治体・DMOと連携して受入環境整備を進める」とコメントしている。

メディア: 日本経済新聞
著者: 佐藤花子